3度目のかど番ながら、大関昇進後最高成績となる12勝。琴奨菊は先場所初めて最後まで優勝戦線に残った。千秋楽は豪栄道に敗れて、白鵬との優勝決定戦に進めなかったが、失いかけていた賜杯を追い求める欲を取り戻した。
「みんなそこを目指してやっているから。もちろん意欲はある」と力を込める。
好成績を維持したい秋場所に向け、横綱、大関を相手に充実した稽古が積めたようだ。6日に行われた二所ノ関一門の連合稽古。鶴竜、稀勢の里と3人で申し合いを行った。
5勝10敗と負け越したが、立ち合いの鋭い出足が光った。得意のがぶり寄りも健在で、稽古を見守った元横綱大乃国の芝田山親方が「琴奨菊は復活したね」と語ったほど。何より稽古後の本人の表情が明るかった。
「入門の1期上が鶴竜関で、稀勢の里関は1期下。教習所のことを思い出したよ。本当にありがたい」。切磋琢磨(せっさたくま)して出世してきた好敵手たちにこれ以上後れをとるつもりはない。闘志が高まった。