【クリップボード】「受賞…奇跡の連続です」呉美保監督 「そこのみにて光輝く」で最優秀監督賞 | 毎日のニュース

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 カナダで行われた第38回モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞した「そこのみにて光輝く」の呉美保(オミポ)監督(37)が帰国し、都内で記者会見した。「企画の段階から映画として成立するのか、と危ぶまれた作品。それが奇跡のようにできあがり、映画祭に行き、受賞にも結びついた。奇跡の連続です」と笑顔を見せた。

 北海道函館市出身の作家、佐藤泰志(1949~90年)の小説が原作。佐藤は計5回、芥川賞の候補となるが、受賞には至らなかった。呉監督は「佐藤さんも編集者や家族らに支えられていたはずで、賞の発表前にはプレッシャーを感じたのではないでしょうか。私も今回、モントリオールでプレッシャーを感じましたが、佐藤さんも同じ気持ちだったのかな、と思いました。小説が映画に形を変えましたが、佐藤さんには何らかの形で感謝の気持ちを伝えたい」と語った。

 主演の綾野剛、池脇千鶴とともにモントリオールで発表を聞いた。発表は英語とフランス語で行われ、呉監督はすぐには受賞に気づかず、隣にいた池脇に教えられたという。「びっくりして立ち上がり、気づいたら綾野さんに抱きついていました」

 函館でロケを行っただけに、受賞トロフィーは「函館の人たちに見てほしい」。「これからも作りたいと思える映画を撮っていきたい」と述べた。

 全国順次公開中で、13日からは東京・六本木のシネマート六本木で公開される。