国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)は10日、1989年に発効したモントリオール議定書でフロンなどオゾン層破壊物質が規制された結果、地球全体のオゾン層が回復している兆候がみられるとの報告書を発表した。科学的に確認されるのは初めて。同議定書発効後、冷蔵庫やスプレー缶などに使われていたフロンなどの排出量が減少。現時点でオゾン層破壊は進行しておらず今世紀半ばまでには北極圏や中緯度地域のオゾン層が80年の水準まで回復することが期待されるという。
オゾン層は地球を取り巻いて有害な紫外線をさえぎるため皮膚がんの抑制や目の保護につながる。UNEPのシュタイナー事務局長は国連本部で会見し「国際社会が協調して取り組めば並外れた利益を人類にもたらすことができることを示した」と語った。
一方でフロンの代替として使われているハイドロフルオロカーボン(HFC)には温室効果があり、排出量が増え続ければ地球温暖化の原因の一つになると警鐘を鳴らした。(共同)