戦争抑止へ格好の入門書
難しいことを誰にも理解できるように分かりやすく書くことが、一番難しいといわれる。問題点を余すところなく整理し、易しい表現で説明するには、対象となる事象を知り尽くしていなければならないからである。わが国では、集団的自衛権という外国では自明で議論する必要のない問題を丁寧に説明しなければならない。集団的自衛権イコール「他国のために戦争する権利である」との誤った概念を国民に植えつけようと躍起になっている一部マスコミが存在する中で、正しい認識を形成することの重要性は一段と増している。
本書は、集団的自衛権に関する研究の第一人者、佐瀬昌盛・防衛大学校名誉教授の手になる入門書である。これまでの議論の足跡をたどりつつ、憲法、国連憲章、日米安保条約との関係から、今日的現象の国際テロリズムやサイバー攻撃にいたるまで、集団的自衛権に関するあらゆる問題が取り扱われている。