【主張】児童虐待7万件 子供救うため躊躇するな | 毎日のニュース

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 全国の児童相談所が平成25年度に対応した児童虐待の件数が7万3765件に達した。調査を開始した2年度から23年連続の増加で、7万件を超えたのは初めてだ。

 厚生労働省は、虐待への積極的対応や警察からの通告が増えたことなどが件数増加の大きな要因と分析している。それにしても、7万人以上の子供が虐待に苦しんでいると想像すれば、暗澹(あんたん)たる気持ちになる。

 児相や学校など関係機関は、一人でも多くの子供を救うための通告や保護、親権停止の申し立てなどを躊躇(ちゅうちょ)してはならない。

 7月30日早朝、東京都西東京市の住宅で、中学2年の男子生徒が首をつっているのを、母親が見つけた。遺体には暴行の痕が認められた。傷害容疑で逮捕された父親は前日、男子生徒に「24時間以内に首でもつって死んでくれ」と言ったと供述した。スパーリングと称して殴ることもあったといい、自宅からはボクシングのグローブが押収された。こんなかわいそうな14歳の死に方があるか。

 顔のあざに気づいた担任が声をかけたこともあったが、男子生徒が「大丈夫」と答えたため、児相や教育委員会へは報告しなかった。6月以降、男子生徒が登校しなくなってからも、電話で父親に様子を聞いただけで、本人との接触は持たなかった。