【スポーツ茶論】「最後の4割打者」の探求心 津田俊樹 | 毎日のニュース

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 草野球の監督をする知人に教えられた。

 「こんなアプリがあるの知ってる?」

 みせられたスマートフォン(高機能携帯電話)には、聞いたこともない選手の打率がズラリ並んでいる。

 「うちのメンバーだよ。こいつ、最近、率が下がっているな。打順変えるか」

 いや、驚いた。今、野球データのアプリが静かなブームらしい。試合結果、勝率はもちろん、個人の打率、出塁率、長打率などが、あっという間に出てくるではないか。

 「これをもとに、先発メンバーを考えるのが楽しいんだ」

 知人は、すっかりプロ野球の監督気分である。アナログ人間には、ついていくのが大変だが、それでも自然とスマホの画面に引き込まれていく。

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 メジャーリーグに燦然(さんぜん)と輝く大記録がある。テッド・ウィリアムズ(ボストン・レッドソックス)が1941年にマークした、シーズン通算打率、4割6厘は70年以上が過ぎても誰も到達できていない故に“神の領域”といわれる。