東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、組織委)は大学生に熱い視線を送る。8万人規模といわれるボランティア、とりわけ語学ボランティアの担い手として、またオリンピズム普及の中核として、あるいは大会盛り上げへの寄与に大きな期待を寄せている。
「ボランティアの数は独り歩きした数字で、まだ精査しているわけではありませんが、大きなまとまりとしての大学生の力に頼るところは大きいと思います」
組織委CCO、総務局長の雑賀真(さいか・まこと)は6月23日に全国552大学が参加して締結された大学連携協定をまとめた中核の一人である。
過去のオリンピックではそれぞれの国の大学生が運営に大きな役割を果たしていた。東京も16年大会招致以降、大学との連携を模索してきた。16年招致時は9、20年招致で86だった連携数はいま、全国1167大学・短大の約半数に及んでいる。「過去にない規模です。これが一つの運動体となれば、大会の大きなレガシーになるでしょう」
締結時と前後して日本を訪れた国際オリンピック委員会(IOC)副会長、東京大会の調整委員長を務めるジョン・コーツは「試みの成功を祈っている」と話し、大きな関心を示した。