「日本と共同でアジア経済の関係強化を」 米印が戦略対話、関係修復へ | 毎日のニュース

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 【ニューデリー=岩田智雄】インドを訪問したケリー米国務長官は31日、スワラジ印外相と戦略対話を行った。印政府が発表した共同声明によると、両者は日米印3カ国が、経済発展が見込まれる南アジアと東南アジアの連結性を共同で高める必要があるとの認識で一致した。また、ケリー氏は、アジアでの中国の台頭を念頭に昨年以降、悪化している米印関係の改善に強い意欲をみせた。

 南アジアと東南アジア間について両者は、民主化の取り組みが進むミャンマーを経由する経済回廊を開発し、交通と貿易の連結性を構築する必要性を強調した。

 米印関係は昨年、インドの女性外交官がニューヨークで裸で取り調べを受けたことをきっかけに悪化したが、会談後の記者会見でケリー氏は、「米印は21世紀に欠くことができないパートナーだ」とし、5月に発足したモディ新政権に「変化と改革をもたらす歴史的な信任を勝ち取った」と賛辞を贈った。

 また、アジア太平洋地域に加え、地域を超えて安全保障の協力を深めるために、「素晴らしい機会を共有している」と述べた。

 モディ首相は2002年に印西部グジャラート州で起きた暴動で、多数のイスラム教徒がヒンズー教徒に虐殺された事件を黙認したとの非難を浴びている。米国はその後、モディ氏への査証発給を拒否してきたが、オバマ米大統領は総選挙でインド人民党(BJP)を勝利に導いたモディ氏に訪米を要請、9月末に首脳会談が行われる予定になっている。