【ベネッセ情報流出】「少なくても数千万円」 受検予備軍、名簿は宝の山 少子化で獲得競争激化 | 毎日のニュース

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 ベネッセコーポレーションの個人情報漏洩(ろうえい)問題では、少子化が進む中で子供に関する名簿が「宝の山」として教育業界で取引されている実態が明らかになった。幼い子供の個人データは「高校、大学と長期にわたって使えるためうまみがある」(名簿業者)といい、今回流出した情報は「数千万円の価値がある」という業者もいるほどだ。

 「教育業界の巨象から出た名簿なら、喉から手が出るほど欲しいと考える学習塾があっても不思議でない。実際に名簿を欲しがっている塾があるという話を聞いたことがある」。東京都内の学習塾関係者は、こう漏らす。

 近畿地方の名簿業者も、「子供の情報は希少価値が高く、もうけも大きい」と説明する。この業者は「小学校低学年までの名簿はほとんど流通していない。うちも欲しいのが本音」とし、ベネッセから流出した情報の価値を「少なくとも数千万円」とした。

 総務省によると、平成25年の18歳以下の国内人口は約2120万人。ベネッセから漏洩した可能性がある最大2070万件はこの数字をほぼカバーするほど膨大な「宝の山」だ。

 塾業界は小中規模の塾を大手が次々と吸収合併し寡占化が進むが、生き残りをかけて少子化で縮小している国内のパイを奪い合っているのが現状。首都圏の学習塾で構成される教育団体の役員は「塾の生徒を1人集めるにも、多額の広告費を使わなければならない時代。名簿が高額でも、ピンポイントで勧誘できるのでペイできる」と指摘する。

 個人情報の需要が高まる一方、供給側の名簿業者は「大小を問わず塾関係者から問い合わせは多いが、あまり名簿がなく思ったように情報提供できないケースも多い」と厳しい状況を打ち明ける。