モンゴルでかつて国民的な盛り上がりを誇った日本の大相撲人気に陰りが差している。2011年の八百長問題などが尾を引いているとみられ、回復の道は険しそうだ。
国営モンゴル放送で解説者兼通訳者を務めたムンフバト・バルジルさん(52)によると、朝青龍、白鵬、安馬(現日馬富士)が優勝を競った08年ごろには、夕方の中継時間帯に「地方政府庁舎から人影が消え、議員が離席するため国会審議も一時中断した」ほどの人気があった。
しかし、現在は、中継するテレビ局も当時の7社からウランバートル放送1社に。元小結旭鷲山のバトバヤル氏は「八百長問題が最大の原因」と断ずる。モンゴル大相撲協会の会長も務める同氏は「日本の相撲は正義の取組だと信じていた国民は本当にがっかりした。人気は50%以上急落した」と話す。(共同)