【ブラジルW杯】決勝にたどり着いたメッシ 伝説に「あと1勝」 | 毎日のニュース

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 アルゼンチンのメッシがGKロメロを中心にできた歓喜の輪に飛び込むと、169センチの小さな体はたちまち大男たちの間に隠れてしまう。しばらくして解けた輪の中から姿をみせたチームを引っ張る大黒柱。その顔には最高の笑みが広がっていた。

 本領を発揮できたわけではない。ボールを持った瞬間に群がってくる相手DFにスペースを消され、ゴールを奪うどころかチャンスメークもままならない。しかし、歴戦のストライカーは重圧のかかるPK戦の1本目を落ち着いて決め、チームの勝利に貢献した。

 「W杯優勝は選手として考えられる最高の出来事だ」。プレーヤー人生の集大成と位置付けて戦うW杯。サベラ監督が「メッシのような選手がいれば頼るのが当然」と“開き直る”中、重圧を小さな背中で一身に背負いながら決勝の舞台までたどりついた。

 1986年メキシコ大会で世界一に輝いた母国の英雄マラドーナと同じ境地に立とうとしている。後半にスタンドを揺るがすメッシコールで後押ししたサポーターの期待もその一点に尽きる。13日に聖地マラカナンで行われる決勝で、栄光に包まれたキャリアに最高の1ページを加えにいく。(奥山次郎)