「クモの糸つかむ思い」仕事に困窮の弁護士 | 毎日のニュース

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 資格がないNPO法人元代表から債務整理の紹介を受けたとして、弁護士3人が9日東京地検に起訴された。いずれも懲戒処分や高齢が原因で仕事に困っていた弁護士ばかり。宮本孝一被告(46)は取材に「生活に困窮し、クモの糸をつかむ思いだった」と打ち明けた。

 宮本被告によると、平成21年に元NPO代表の小林哲也被告(49)と知り合った。複数回、懲戒処分を受け、借金は膨らみ、当時勤めていた事務所を辞めようとしたころ、「債務整理を手伝ってくれる人がいる」と、知人から紹介されたという。

 小林被告が連れてきた事務員らと一緒に、都内に新たな事務所を開設。新聞折り込みチラシやインターネットを駆使して多重債務者をかき集め、実際の債務整理は弁護士や事務員がこなした。日弁連の非弁提携問題の担当者は「競争激化で、仕事がない弁護士が提携に走る傾向がある。業界全体の問題として、倫理研修を徹底したい」と話している。