インドネシア大統領選 ジョコ氏、課題山積 経済・過激派対策は急務 | 毎日のニュース

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 【ジャカルタ=吉村英輝】ジョコ・ウィドド氏には、さらなる経済成長に向けた構造改革やイスラム過激派対策など、多くの課題が立ちはだかる。東南アジアへの影響力拡大を図る中国の圧力も強まっており、次期大統領はかつて「東南アジア諸国連合(ASEAN)の盟主」と呼ばれたインドネシアの再興に向け、内政・外交の両面で指導力が試されている。

 インドネシアの国内総生産(GDP)成長率は2013年、4年ぶりに6%を下回った。米リーマン・ショックの余波を受けた2009年に落ち込んだ後は、国民所得の伸びを受けた堅調な消費が順調な回復を支えてきた。だが、資源以外の輸出産業に乏しい状況の中で外需が減速し、国際収支も悪化している。

 ユドヨノ政権は昨年6月、財政赤字削減へガソリンなどへの補助金削減に踏み切り、物価高騰と家計圧迫を招いた。景気減速の懸念が強まり、投資の伸びにも陰りが出ている。来年末には、ASEAN加盟国が域内関税の原則撤廃などを掲げた経済共同体を発足させる。域内最大の経済大国として、次世代産業の育成やインフラ整備は急務になっている。

 イスラム過激派への対策も再浮上しつつある。中間層を中心にイスラム保守派の影響力が徐々に浸透する一方、イラクとシリアで活動する過激派組織「イスラム国」に「義勇兵」として参加する若者も増えている。2002年のバリ島爆弾テロなどの再発を防ぐため、次期政権は対策強化を迫られる。