商船三井 北極海で初の定期航路 2018年からLNG輸送 | 毎日のニュース

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 商船三井が北極海では初めてとなる通年の定期航路輸送を、2018年中に始めることが9日、分かった。ロシア北部で産出する液化天然ガス(LNG)を、氷を砕く機能を持つ専用船で欧州やアジアへ輸送する。新ルートは日本と欧州を約30日で結び、主流のスエズ運河を経由する南回り航路より10日ほど短縮、運航コストは3~4割安くなる見通し。今後、各種資源の輸送に活用され国際物流を変える可能性がある。

 ロシアのガス大手ノバテクなどがロシア北部ヤマル半島で開発するLNGプロジェクトの輸送を、砕氷機能を持つ専用船3隻を使い中国の海運会社と共同で保有・運航する。投資額は約1000億円でLNG300万トンを輸送、北極海を通ればヤマル半島からアジアまでは約18日、欧州までは約11日で運べるという。

 北極海航路は輸送時間が短縮できるが氷が厚く、船舶の長距離運航は難しいとされていた。近年は地球温暖化に伴う氷の減少で夏場に一部、運航されるようになっていた。商船三井は新たに開発する、砕氷機能を持つLNG船を活用し、欧州向けに通年、運航する。日本を含むアジア向けは6~10月の夏季のみとなる。