中国でインターネットをめぐる情報統制が一段と厳しさを増している。地元紙によると、北京市の女子大生が、当局のネット検閲や遮断をかいくぐる特殊な手法を中国版ツイッター「微博」で伝授。これが、「犯罪方法の公表」にあたるとして公安当局に今月、身柄を拘束された。
天安門事件から25年を迎えた6月4日前後に、国内では完全にシャットアウトされている事件に関する海外発の画像や情報を閲覧できるノウハウを伝えたもようだ。
これまでも中国では、共産党や政府に対する批判など反体制的とされた発言、テロ行為に関する情報やデマの流布などで市民が摘発されたケースは多いが、ネット検閲の回避技術をめぐる身柄の拘束は異例だ。
中国では、規制当局が自ら管理できる中国版ツイッターなど国内ツールへの書き込みを、全土に200万人以上いるとされる監視員の目や、電子的なチェックで“ふるい”にかけている。例えば6月4日を意味する「六四」は、書き込みはもちろん、検索も受け付けないしくみになっている。
また、中国内の少数民族の独立運動や台湾問題、共産党一党支配体制の障害になると判断された海外のサイトなどは、中国国内では閲覧できないように遮断。民主化運動の情報共有ツールになるとの懸念から米フェイスブックやツイッター、ユーチューブまでも、ことごとく切断されている。