前回大会決勝の雪辱を果たしたオランダのお祭り騒ぎがピッチ内外で繰り広げられる。選手はいつまでもピッチに残って勝利の余韻に浸り、スタジアムの外ではチームカラーであるオレンジ色のユニホームやシャツを身にまとった大男たちが野太い声を上げ続けた。
オランダが誇る2人のアタッカーが、そろって2得点と暴れ回った。圧巻は前半44分に生まれたファンペルシーの同点弾だ。左サイドからほうり込まれたロングボールに反応してダイビングヘッド。しかも、ループでGKの頭を抜く技ありのシュートだった。
ロッベンも負けてはいない。4-1と試合の大勢が決した後半35分、自陣から長い縦パスが入ると一気に加速。セルジオラモスとの“追いかけっこ”を制してボールをコントロールすると、飛び出してきたGKも鋭い切り返しで交わしてゴールに流し込んだ。
世界王者を完膚無きまでにたたきのめし、ファンペルシーは「夢が現実になった。だから勝利の瞬間を楽しむ必要があったんだ」と興奮は冷めやらない。開幕前から注目を集め続けた一戦で脇役に甘んじてきたオランダが、本番で大仕事をやってのけた。(奥山次郎)