てんぷくトリオのコント「こまつ座」で復活 監修・脚本ラサール石井 | 毎日のニュース

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 ◆「憧れた井上喜劇の原点」

 昭和40年代、作家の井上ひさしが書いた珠玉のコントが、こまつ座の舞台としてよみがえる。19日から東京・東池袋の「あうるすぽっと」で始まる「てんぷくトリオのコント」。監修・脚本を担当する、お笑い芸人で俳優のラサール石井(58)は「喜劇にこだわり続けた井上さんの『原点』を見てほしい」と話す。(喜多由浩)

 三波伸介、伊東四朗、戸塚睦夫のお笑い3人組で人気を博した、てんぷくトリオ。テレビ出演が増え、コントのネタに困っていたときに、まだ無名に近かった井上に声がかかった。

 トリオの座付作者となった井上は、毎朝の新聞から拾った時事ネタや、ブラックでシュールなオチなど、ユニークなコントを150本以上も書きまくる。伊東によれば、もし井上のコントに出合わなければ、マンネリ気味だったてんぷくトリオは「表舞台から消えていただろう」という。

 ラサールは中学生のころに、全盛時代のてんぷくトリオをテレビで見ている。その後、ピンでも活躍した伊東が大好きで、「まねばかりしていた。ボクの憧れの人でした」。

 井上にも、憧れた。「価値観の逆転、たとえばエラい人の立場が突然、入れ替わる。そこに『笑い』が生まれる。言葉にこだわった『笑い』でもあった。『芝居が高尚で、コントが下だ』なんて、決して考えなかった人でしたね」