骨太方針の素案提示 人口急減に強い危機感 財政健全化、具体策乏しく | 毎日のニュース

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 政府が骨太方針の素案で「人口急減・超高齢化の流れを平成32年をめどに変える」と明示したのは、人口減少に対する強い危機感の表れだ。日本は、先進国で最悪の約1千兆円の債務残高を抱える。財政の健全性を示す国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を目標の32年度までに黒字化できないまま、人口減少を食い止められなければ、社会保障費の急増で財政が傷み、日本経済が回復困難な状況になりかねない。(小川真由美)

 日本は高齢化が進む一方、出生率の低水準が続き、総人口は20年をピークに減少に転じた。今後、総人口が減るスピードは加速し、60年には総人口が1億人を割り込む見通し。人口減少は税収や生産、消費の落ち込みにつながり、成長や財政、社会保障の持続に大きな影響を及ぼす。

 日本の社会保障制度は、現役世代が支払う税や保険料で高齢者を支える構造のため、高齢化は財政を圧迫する。

 37年には団塊世代(昭和22~24年生まれ)が75歳以上となり、平成52年には団塊ジュニア(昭和46~49年生まれ)も65歳以上に突入する。高齢化に伴い、年金・医療・介護など社会保障給付費は今年度の115兆円から、平成37年度には約150兆円に膨らむ見込みだ。