禁止鎮静剤、ICUで繰り返し使用 背景に「使い勝手がいい」 学会が調査 | 毎日のニュース

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 2歳男児が死亡する医療事故が起きた東京女子医大病院の集中治療室(ICU)では、人工呼吸中の子供への投与が禁止されている鎮静剤プロポフォールが、繰り返し使われていた。日本集中治療医学会は、子供への使用実態を全国調査している。

 2歳男児への投与を決めた女子医大病院の麻酔科医は教授会の聞き取りに対し、プロポフォールを選んだ理由を「効果がすぐ出て、すぐ消える」と述べ、術後管理のしやすさを挙げたという。

 「投与をやめると短時間で目が覚めるため、使い勝手がいい」。小児医療に携わる麻酔科医は、利点をこう語る。一方で「ICUでは長時間にわたって使用することになるため総投与量が多くなり、リスクが高まる」と指摘。福岡市立こども病院・感染症センターの水野圭一郎医師は「子供に使用できる鎮静剤は数種類しかなく、現場は薬剤の選択に非常に苦労している」と強調した。