俳優の石坂浩二さん(72)もプラモデル愛好家「モデラー」の一人で、同好会「ろうがんず」を立ち上げ、老眼モデラーと交流を続けている。6年目の今秋には横浜市内でコンテストを開くという。プラモデルへの思いを語ってもらった。
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子供時代、プラモデルは高価でね。木を削って模型作りをしていたが、芝居に熱心になって中断。再開後からのプラモデル歴は50年は超えました。作るのは飛行機で、第二次世界大戦中の欧州機が好き。接着工程は急ぐと部品が後から取れることもあるから、きりのいいところまで毎日少しずつ作っています。昔と比べ精密になり、細部の再現力が上がり、飽きがこない。1人で全部やれるから、自分でいいと思うようにやればいいのも魅力だと思う。
プラモデルを趣味にしてきたことで、気づかぬうちに仕事にも役立ち、仲間ができた。1人でやるものとは言ったが、長年やっていると、同好の士が必要と感じ、ろうがんずの発起人になった。情報交換が主で、プラモデルキットへの愚痴が多いんですけど、それも楽しみです。
コンテストを企画したのはプラモデルを話題にしてほしいから。これからは長寿社会で、女性は夫がいなくても何らかのつながりがあるが、男性は会社を抜けたら1人になる。共通言語で仲間と話せる趣味は必要で、そんな潤いがないと元気でいられない。プラモデルだったら製作中のワクワク感も得られる。昔と比べ、塗料のにおいも薄くなり、水性塗料を選べば溶剤臭もない。だから、女性には夫がやり始めたら止めずに喜んであげてもらいたい。プラモデルメーカーも、シニアや「出戻り組」向けにパーツが少なく組みやすい製品を開発してほしいですね。