東日本大震災の津波で2階建ての支店屋上に避難して犠牲になった七十七銀行女川支店(宮城県女川町)従業員3人の遺族が、同行に計約2億3500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が10日、仙台高裁(中山顕裕裁判長)で開かれた。
行員だった長男、田村健太さん=当時(25)=を亡くした弘美さん(51)が意見陳述。遺族側は、銀行側の責任を認めず、請求を棄却した一審判決の破棄を求め、銀行側は争う姿勢。
女川支店では平成23年3月11日の地震直後、支店長の指示で屋上に避難したが、13人全員が津波にのまれ、支店長を含む12人が犠牲になった。
一審仙台地裁判決は、「(高さ約10メートルの)屋上を超えるような巨大津波の予見は困難だった」と指摘。屋上への避難は合理性があり、銀行側の安全配慮義務違反には当たらないとした。