【ZOOM】ハイビジョンの4倍! 「4K」、来月2日から試験放送 | 毎日のニュース

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 テレビのハイビジョン放送(2K)の約4倍の解像度を持つ「4K」での番組制作が進んでいる。鮮明でなめらかな映像を生かし、ドキュメンタリーやドラマ、スポーツなど多くのジャンルで撮影ノウハウを積み重ねている段階だが、改善すべき点もまだ多い。6月2日の試験放送開始を間近に控え、4Kの特徴や、今後の課題をまとめた。(本間英士)

 

◆大画面でもきれい

 4Kのメリットとしては、(1)画質がきれい(2)動きがなめらか(3)表現できる色が増える-の3点が挙げられる。

 その解像度をデジカメでおなじみの画素数で表現すると、ハイビジョンの約200万画素に対し4Kは約800万画素で、50型以上の大画面テレビで近づいて見てもあらが目立たない。動きも、1秒間に30枚の映像を画面に表示するハイビジョンに対し、4Kは倍の60枚。見慣れた野球やサッカーも、画面の大きさもあいまって臨場感が増す。

 色の見え方も、「人の目」に近づくという。NHKは昨年11~12月、オーストラリアで海中のサンゴ礁を撮影。海中では光線の加減で、肉眼で見える景色を映像で再現することが難しかったが、データを圧縮せずに記録する「RAW(ロー)収録」したものに色の調整を加えたところ、「肉眼に近い色の表現に成功した」(NHK編成局の藤田昌巳専任部長)という。

 NHKは今年元日に総合で放送した時代劇「桜ほうさら」を4Kで撮影(放送はハイビジョン)。従来は黒一色になってしまった闇夜の微妙な陰影を表現することに成功した。今後、ドラマの演出やドキュメンタリー番組などで効果的に使用する予定だ。