自分の思い通りに作品を作る楽しみを手軽に体感できるように工夫されたホビー用品が増えている。世界でたった一つのオリジナルの品を簡単に作れるなら創作意欲を諦める必要もなさそうだ。(日野稚子)
どこでも使える
手帳やメモに彩りを添えるスタンプ。市販品では思ったような図柄がなく、消しゴムハンコ作りに挑戦しても手先がうまく動かなく、思い描いたようには出来上がらない-。
そんな人向けにカシオ計算機(東京都渋谷区)が昨年11月に発売したのが、熱転写製版でスタンプ印面を作る小型機器「ポムリエ」だ。パソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)で専用ソフトを使って図版データを組むと、そのままスタンプの印面が仕上がる。本体希望小売価格は6千~8千円前後で、印面のサイズは15ミリ四方から縦45ミリ、横90ミリの長方形までの7種。インクは印面に直接浸透させるのでスタンプ台はいらず、完成品を持ち歩いてどこでも使える。
文字や写真、自分で描いたイラストも図版に取り込めるが、より手軽に楽しめるように、消しゴムハンコ作家などが作った図柄700種以上も用意した。「デジタル機器の力を借りて簡単にスタンプ作りが楽しめたらと考えた」(同社広報)だけあって、発売後はプレゼントに購入する男性もいたという。
体験会に息子(11)と参加した千葉県柏市の主婦(38)は「消しゴムハンコ作りを普段からやっているが、図柄の配置を決めたりする部分を楽しめる」。自分の名前、携帯電話の番号やメールアドレスを入れた連絡先スタンプを作っていた。