サプリメントを選ぶ際、何となく効く気がして、成分含有量が多いものを選んでいないだろうか?
この点について、ファンケル総合研究所(横浜市戸塚区)の高橋里実研究員は「大切なのは量ではなく、各成分の割合です。単一成分のみを多く取ると体内バランスを崩す危険があります」と注意を促す。
例えば、動脈硬化予防や肌のうるおい保持、生殖機能の維持に役立つ成分として人気のビタミンE(VE)。天然VEは8つの成分からなるが、VEサプリは「α(アルファ)トコフェロール」成分のみからできていることが多い。天然VEの9割をこのαが占めており、8つの成分の中で抗酸化作用が最も強いためだ。
同研究所では、α成分の単体サプリと、αの含有量を半分にし、代わりに利尿作用やシミ予防の働きを持つγ(ガンマ)トコフェロールなど3つのVE成分を加えたサプリを摂取する群に分け、1カ月間の臨床試験を実施。その結果、α単体摂取群は、血中のα濃度は高まるもののγの濃度が低下することが判明した。
一方、4つのVE成分が含まれたサプリを摂取した群は、体内のVE成分が全体的にバランスよく増えていた。「微量成分にも重要な働きがあるので、より自然に近いバランスで成分が配合されたサプリを選ぶのが大切です」(高橋研究員)(取材協力 ファンケル総合研究所)