■14日帰還 トラブル対処、融和図る夕食…高評価
国際宇宙ステーション(ISS)で3月から日本人初の船長を務めてきた若田光一さん(50)が14日(日本時間)、ロシアのソユーズ宇宙船で半年ぶりに地球に帰還する。若田さんは指揮官の任務を順調に遂行しており、日本人飛行士の国際的な評価を高めている。
「相手を思いやり、調和からベストな結果を生み出したい」。3月9日、こう決意表明して第39代の船長に就任した若田さん。実験計画の調整や飛行士の健康状態の把握、地上と行う会議の飛行士側のまとめ役などをこなしてきた。
4月下旬には予定外の事態が重なり、対応に追われた。打ち上げが4度も延期された米国の無人補給機が20日にようやく到着し、若田さんはロボットアームを操作してドッキングに成功。その3日後、故障した装置を交換するため米国人飛行士が船外活動を行い、若田さんは機器の点検や手順確認の会議開催などで作業を成功に導いた。
日米露の6人チームの融和のため重視したのが食事だ。若田さんの方針で、作業が忙しくても全員で夕食をとるよう心掛けた。若田さんは「とても大切なリラックスの時間になっている」と話す。
安倍晋三首相やプーチン露大統領との交信、宝塚歌劇100周年式典へのビデオ出演、学生らとの雅楽の共演など、地上との多彩な交流にも力を注いだ。