日銀が12日発表した4月の貸出・預金動向(速報)によると、国内銀行の貸し出し平均残高は前年同月比2・2%増の414兆227億円と31カ月連続で前年実績を上回った。企業の合併・買収(M&A)や電力会社、不動産投資信託向けの大口の貸し出しが増加し、住宅ローン向けも残高の押し上げに寄与した。中堅・中小企業向けにも引き続き広がりが出ている。
ただ、伸び率は3月から0・1ポイント下落した。「円安が一服し、外貨建て貸し出しの伸び率が円換算で鈍化した」(金融機構局)。
銀行に信用金庫を加えた貸出残高は2・1%増の476兆5961億円。業態別では大手銀行など「都銀等」が1・1%増の201兆6654億円、地銀と第二銀行の合計が3・3%増の212兆3573億円と外貨建て預金の多い都銀等の伸びが鈍かった。
都銀と地銀、第二地銀を合わせた実質預金と企業などが決済で利用する譲渡性預金の合計は3・0%増の607兆3784億円と丸7年(84カ月)連続で増加した。