課税取り消し 過去にも1000億円超の返還例 | 毎日のニュース

毎日のニュース

今日の出来事をニュース配信中!

 国税当局の追徴課税をめぐる訴訟では、日本IBMの持ち株会社が全面勝訴した9日の東京地裁判決と同様に、1千億円超の追徴が取り消された事例が過去にもある。いずれも納税済みの法人税などの返還に加え、利子に当たる巨額の還付加算金も国側が支払う結果となった。

 武富士の元会長(故人)夫妻から外国法人株を贈与された長男が約1330億円を追徴課税された処分の取り消しを求めた訴訟では、平成23年の最高裁判決で処分取り消しが確定した。

 贈与があった11年当時、海外居住者への海外財産の贈与は非課税扱いで、長男の住居が国内か、海外かが争点となった。

 最高裁は「長男は香港で実際に武富士や現地法人の業務に従事していた」と認め、課税は違法と判断した。

 住宅金融専門会社(住専)の不良債権処理をめぐり旧日本興業銀行に約1500億円を追徴した処分をめぐる訴訟でも、16年に取り消し判決が確定している。

 この訴訟では、旧興銀が住専に対する債権を放棄した税務処理の適否が争われ、最高裁は、当時の状況から債権回収は事実上不可能で、放棄は適法だったと認めた。