馬券 変わる購入方法「制度見直す時期」 「外れ馬券は経費」判決 | 毎日のニュース

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 馬券の払戻金を申告しなかったとして、所得税法違反罪に問われた元会社員のように、勝ち馬予想ソフトを駆使してインターネットで馬券を購入するファンは増加傾向にある。日本中央競馬会(JRA)が設立された約半世紀前は想定できなかった購入方法に、国税当局は監視を強め、制度見直しの必要性を指摘する声もある。

 JRAによると、競馬場への入場者数は平成12年度に1千万人以上いたが、25年度には609万人に減少。対照的に電話やネットで馬券を購入する割合が増え、19年ごろには利用者が300万人を突破した。

 ネットの掲示板では予想ソフトの精度を上げようとするファン同士が、連日のように互いの“戦績”を披露。情報交換の場となっている。ただ、実際に黒字になるケースは限られており、掲示板には「そんなソフトを使ってもマイナスの時の方が実際には多い」という否定的な声も。「絶対にもうかる」と持ち掛け、100万円近い競馬予想ソフトを売りつけられる被害も出ている。

 ネットで購入する場合、窓口とは異なって大量に買いやすく、手軽だ。国税当局は申告の必要性を積極的に告知してこなかったが、24年には財務省に、払戻金からの源泉徴収や、高額配当者の告知義務を新たに法制化するよう要請している。

 競馬ファンで作家の山野浩一さんは「安心して競馬を楽しむためにも課税対象の基準を明確にする必要があり、制度を見直す時期が来たのではないか」と指摘している。