経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスが、設計開発拠点を8月から順次集約することが分かった。玉川事業所(神奈川県川崎市)と相模原事業所(同県相模原市)、北伊丹事業所(兵庫県伊丹市)から撤退し、武蔵事業所(東京都小平市)と高崎事業所(群馬県高崎市)の2拠点に集約する。来年秋までに完了させる。
自動車の電子制御用や携帯電話、ゲーム機などの半導体は玉川や北伊丹、本社(東京都千代田区)で設計開発していたが武蔵に集約する。電力制御用の半導体は武蔵、玉川、本社から高崎に移管する。
今回の措置で約6千人が対象となる見込み。玉川の約2300人、北伊丹の約千人、相模原の約300人が武蔵、高崎、那珂事業所(茨城県ひたちなか市)に配置転換となる。また本社ビルが老朽化で取り壊される予定で平成27年度中に新拠点に移転する。これに伴い、本社の設計開発部隊も武蔵と高崎に移る。
ルネサスは経営を再建させるため昨年から構造改革を本格化。設計開発部門は統合した日立製作所、三菱電機、NECエレクトロニクスのそれぞれの拠点が重複しており、業務の効率化を図るため集約を決めた。
ルネサスは27年度末までに約5400人のリストラを計画している。今回の設計開発拠点の集約では遠方への転居を伴うため、今夏にも早期退職の募集を実施する予定だ。