近づくと、視界に入ってきた巨大なパラボラアンテナに驚く。直径32メートルもあるアンテナは飾りではなく、地殻変動の観測などで実際に使用されているというおすすめスポットの一つだ。
平成8年に国土地理院の敷地内にオープンした「地図と測量の科学館」は、地図と測量に関する総合展示施設。所蔵する古地図や測量機器、写真から地図を作製する図化機などが展示されている。見学しながら地図と測量について学ぶことができ、年間約5万人が来館するという。
入り口を抜けると、目の前の床に広がるのは10万分の1の縮尺の日本列島の地図。赤と青のフィルムがはめ込まれた3Dメガネでのぞけば、日本列島が浮かび上がる仕組みになっている。「日本列島空中散歩マップ」の名の通り、地図の上を歩いていると、ちょっとしたガリバー気分を味わえる。
建物の裏手にも、おすすめスポットがあるという。地球を20万分の1に縮小し、つくば市を中心に半径2200キロの範囲を切り取った「日本列島球体模型」だ。150センチくらいの身長だと、上空300キロメートルから地球を見ているのと同じだとか。地球の丸みや大きさを体感できるほか、「小笠原諸島が東京から遠く離れていることも分かります」(担当者)という。
隣に展示された測量用航空機「くにかぜ」は大人にも人気。誰もが、地図と測量の“おもしろさ”に出会える施設なのだ。
(水戸支局 海老原由紀)
■地図と測量の科学館 開館時間は午前9時半~午後4時半。月曜休館(祝日は開館、翌日休館)、年末年始休館。入館無料。所在地は、つくば市北郷1。首都圏中央連絡自動車道つくば中央ICから車で約10分。つくばエクスプレスつくば駅からバスで約10分。問い合わせは(電)029・864・1872。