日米共同で被爆者の健康調査をしている研究機関「放射線影響研究所」(放影研、広島、長崎)は17日、核実験による放射性降下物の測定のため、昭和30年ごろから定期的に広島と長崎で採取した雨水を、米エネルギー省所管の環境測定研究所へ送付していたことを明らかにした。放影研は解析に関与していないが、38年の米・英・ソによる「部分的核実験禁止条約」締結の科学的データになったのではないかとしている。
放影研では雨水をボトル(1リットル)で送付。記録が残る昭和60年8月27日~平成6年7月8日の間では、ほぼ毎月、広島と長崎から2~4本、計91回212本を送った。
中米・パナマや台湾、米ニューヨーク、オーストリアのウィーンなどでも採取され、環境測定研究所が半減期の長いストロンチウム90について測定していたとみられる。