相当偏っている人の能力とか才能
あの小保方(おぼかた)晴子さんの会見を延々とテレビで見てしまった!
30歳のムーミン好きのお嬢さんみたいな女性。その彼女が世界初の大発見をしちゃったと知り、びっくりしたのもつかの間、なぜ、今、彼女はこういうことになっているのか。
人のなすことには必ず理由があるはず、それが知りたい、と思いつつ見ていたら、突然、40年も昔に父が言っていたことを思いだしてしまった。
「君ねぇ、世界的な発見というものは、だいたい偶然の産物なんだ。AとBをうっかり混ぜちゃったら、こうなっちゃってびっくり!というようなことが多い。その結果をどうしてなんだ、とたどって、原因にたどり着くプロセスが研究というものなんだ」
父は応用化学分野のエンジニアで、研究開発の分野で働いていた。そして、自分の話したいことだけを、相手の興味などおかまいなしにしゃべり続けるような人だった。
確か、そこは東京・銀座の喫茶店。
その日の父の冗舌振りが目に浮かぶ。その頃、私はテレビのクイズ番組の台本作家のアシスタントをしていた。それで、化学のことを父に聞きに行った気がする。私は家出中の娘だったから、久しぶりの娘との再会に父は高揚していただろうと、思う。