反体制知識人、陳一諮氏が米で死去 天安門事件で亡命、趙紫陽氏の元ブレーン | 毎日のニュース

毎日のニュース

今日の出来事をニュース配信中!

 【ロサンゼルス支局】1989年の天安門事件で失脚した趙紫陽元中国共産党総書記のブレーンで、事件直後に米国へ亡命した陳一諮・元中国国家経済体制改革研究所長が日本時間の14日、ロサンゼルス近郊の自宅で病気のため死去した。73歳。ボイス・オブ・アメリカ中国語放送などが伝えた。

 亡命先の米国で死去した中国の著名な反体制知識人としては、劉賓雁、方励之の各氏に続く例となった。中国の民主化が遠のくなか、帰国できない事件関係者の高年齢化が進んでいる。

 体制改革の研究者だった陳氏は、胡耀邦元総書記の死去(89年4月)を機に北京で始まった学生らの民主化要求運動で、武力鎮圧に反対する声明を他の趙氏ブレーンとともに発表。戒厳部隊が学生らに血の弾圧を加えた同年6月4日、共産党との決別を宣言して北京を脱出し、フランスを経て米国へ逃れた。

 中国では天安門事件の「黒幕」知識人として指名手配された。2002年にリンパ癌(がん)(がん)が見つかり病気療養のため帰国を検討したが、中国政府の求める転向声明を拒絶。昨年5月に事件の内幕を暴露した「陳一諮回顧録」を香港で出版していた。