【シンガポール=吉村英輝】インド洋南部で行われているマレーシア航空機の捜索で、作業を統括するオーストラリアの合同調整センターは16日、米海軍提供の無人潜水機が海底調査中に緊急浮上したと発表した。潜水機の捜索中断は初日を含め2日連続となる。先端技術を駆使した捜索も難航している。
潜水機は14日に初めて投入された。不明機のブラックボックスは電源が切れたとみられ、信号が受信できなくなり、捜索方法は海底調査に切り替えられた。
潜水機は海底から約30メートルの海の中を航行し、水中音波探知機(ソナー)で海底の状況を3次元撮影し、不明機の残骸を捜索する。
初日の調査は16時間の予定だったが6時間で中断した。潜行可能な深さ4500メートルを超える場所があり、安全装置が作動して自動浮上した。解析したデータに残骸の形跡はなかった。
15日夜から2回目の調査を始めたが、16日朝に再び緊急浮上した。技術的なトラブルが原因で発見物はなかったという。
オーストラリア当局は計4回、ブラックボックスから受信したとみられる信号で絞り込んだ海域で、可能性の高いエリアから潜水機での調査を進める計画だ。