法廷で警備員にかみついた証拠動画を投稿、目的外使用で有罪に 初の事例 東京地裁 | 毎日のニュース

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 法廷で警備職員にかみついた公務執行妨害事件の証拠を動画投稿サイト「ユーチューブ」に掲載したとして、刑事訴訟法違反(開示証拠の目的外使用)の罪に問われた愛知県江南市の不動産会社社長、山本兼吉被告(48)に、東京地裁は12日、懲役6月、執行猶予2年(求刑懲役6月)の判決を言い渡した。刑訴法は検察側が開示した証拠を裁判の準備に使用する目的以外で他人に見せたり渡したりすることを禁じている。東京地検によると、目的外使用が問われた初のケース。

 大熊一之裁判長は、山本被告が実況見分の写真や警備職員の個人情報などを掲載したことが目的外使用に当たるかを検討。弁護側は「社会に支援を求める行為だった」と主張したが、大熊裁判長は「職員への嫌がらせや報復意図があり、目的外は明らか」と退けた。

 山本被告は平成22年、民事訴訟で出廷した最高裁で警備職員にかみつき公務執行妨害罪などで起訴された(有罪確定)。保釈中の24年10~12月、公判前手続きで検察側が開示した証拠をユーチューブに掲載した。