【月刊正論】東日本大震災3周年 語り継ぐ自衛隊と国民の絆 | 毎日のニュース

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 あの、あまりに巨大な悲劇から3年。その中で示された勇気と希望と絆を、私たちは忘れない。(ジャーナリスト・井上和彦 月刊正論4月号

 ♪うさぎ追いしかの山 小鮒釣りしかの川

 夢は今もめぐりて 忘れがたき ふるさと♪

 防衛省(東京都・市谷本村町)の講堂に若い歌声が響いた。

 昨年5月8日、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市の蛇田中学3年生約200名が修学旅行で防衛省を訪問し、献身的な災害派遣活動を行なってくれた自衛隊員に「合唱」で感謝の意を表したのだった。

 震災時、蛇田中学校は避難所となったが、災害派遣された自衛隊員の献身的な支援活動が多くの人々の心に刻まれた。震災後に蛇田中学校に入学した生徒達は、入学時より「合唱」という形で自衛隊に感謝の気持ちを伝えたいと考えていたという。その思いが震災から2年が過ぎたこの日に適ったのである。

 生徒の歌声は、参集した自衛隊員の涙腺を緩め、その感動は頬を伝った。

「…私は小学校3年生まで大川小学校にいました。知っている友達がたくさん亡くなったことはとても悲しいことです。しかし亡くなった友達を泥だらけになっても探してくださった自衛隊の方々に心から感謝いたします」