5日から開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、周生賢環境保護相が記者団に「大気汚染はかなり好転した」と語ったことに対し、ネットを中心に不満の声が続出している。中国各地では今年に入ってからも深刻な大気汚染が続いており、とても好転したとはいえないからだ。(フジサンケイビジネスアイ)
周環境保護相は「一般市民はあまり感じていないかもしれないが、大気汚染はかなり好転している。大気汚染の指数は昨年に最高値が1000余りだったが、今年に入って900余りに下がっている。北京市、天津市、河北省の平均値は昨年の500~600から今年は500余りに下がってきている」と語った。
ところが中国青年報がネット上に寄せられた約2000人の意見を分析してみたところ、92.8%が周環境保護相の発言に不満を抱いているという結果が出た。「この程度でかなりの好転といえるだろうか」「周氏が引用した大気汚染指数が適切かどうか疑問だ」などの声が挙がっている。
中国の大気汚染の指数は6段階に分かれており、300を超えると「厳重汚染」(すべての者は屋外活動を中止)となる。したがって1000余りから900余りに下がったとしても「厳重汚染」に変わりなく、「かなり好転」と言うには早すぎよう。