【シンガポール=吉村英輝】8日未明に忽(こつ)然(ぜん)と姿を消したマレーシア航空機。南シナ海に墜落したとみられるが、救難信号も発せずに連絡が途絶え、機体も見つかっていない。盗難旅券を使った乗客の存在が判明するなど、テロの憶測も広がっている。何が起こったのか謎は深まるばかりだ。
同機は8日午前0時41分(日本時間同1時41分)にクアラルンプール国際空港を出発、午前1時半にマレー半島の東部沖でマレーシアの管制当局は同機と連絡が取れなくなった。高度約3万5千フィート(約1万メートル)を安定飛行中で、天候も良好だった。午前2時40分に消息不明を確認した。
不明機が2012年、中国・上海の空港で別の航空機と接触し、主翼を損傷した事故を起こしたため、機体不具合の可能性が指摘される。だが、マレーシア航空は、製造元のボーイング社が修理して安全を確認しており、直近の整備でも問題はなかったとしている。
何らかの原因で空中爆発していれば、海上の広範囲に残(ざん)骸(がい)が散乱するが、その痕跡も見つからない。米国当局も、偵察衛星情報などから爆発を否定している。
緊急着水し海底にそのまま沈んだ可能性がある」