米国防総省のウォーマス副次官は10日、国防予算削減の影響で米軍が東アジアから後退するとの印象が広がれば、日本の核開発リスクが高まるとの認識を表明した。米ワシントンでの講演で、司会者らの質問に答えた。
核拡散を招かないためにも、米国の抑止力維持が欠かせないとの考えを示し、十分な国防予算を確保する重要性をアピールした形。
ウォーマス氏は、国防総省が4日に公表した「4年ごとの国防戦略見直し(QDR)」の作成過程で「最低限の国防予算しかない場合、日本のように十分な科学的能力を持つ国々が核開発する恐れが高まるとの暗黙の理解があった」と指摘した。
同時に「日本との同盟関係は極めて強固だ。強い同盟がある限り、日本にそうした核戦力は不要だ」と述べ、「核の傘」の意義を強調した。(共同)