東日本大震災で大きな被害が出た岩手県陸前高田市は9日、市立高田小の体育館で市主催の追悼式を開いた。約1200人が参列し、犠牲者に思いをはせた。同市の死者・行方不明者は、県内の自治体の中で最も多い1771人。
式では黙祷(もくとう)を行い、設けられた祭壇に参列者が一人一人、白い菊を献花した。ハンカチで涙をぬぐう遺族の姿もあった。
戸羽太(とば・ふとし)市長(49)は「亡くなった方のことを決して忘れず、市民一丸となって一日も早い市の復興を実現したい」とあいさつ。遺族の代表としてあいさつした漁師、熊谷政之さん(50)は、妻の久美さん=当時(42)=を亡くした。「残った家族や地域のため、がむしゃらに生きてきた。これからの陸前高田が安全な町になることを願う」と話した。
陸前高田市は「11日は平日のため式を開催できる大きな施設がなく、日曜の方が遺族が出席しやすい」として9日に実施した。11日には岩手県と山田町の合同追悼式が同町で開かれる。