【ワシントン=小雲規生】米政府は9日、オバマ大統領が12日、ホワイトハウスでウクライナ暫定政権のヤツェニュク首相と会談すると発表した。米政府は会談について、「(ロシアの介入という)難局に際し、素晴らしい勇気と抵抗力を示すウクライナの人々に対する米国の強い支持を示すものになる」としている。会談では、ウクライナの主権と領土的統一を尊重した解決策や、国際社会からウクライナへの経済支援について協議する。
一方、ブリンケン大統領次席補佐官(国家安全保障担当)は9日、米NBCテレビの番組に出演し、ウクライナ南部のクリミア自治共和国が住民投票でロシア編入を決めたとしても、「米国や世界の大半の国はその結果を承認しない」と述べた。さらに、「ロシアが支払う代償は現在よりも遙かに大きくなる」とし、対露追加制裁を検討する可能性を示唆した。
ブリンケン氏は、ロシアが米露の新戦略兵器削減条約(新START)に基づく査察の受け入れ停止を検討しているとされることについて、現在までにロシア政府から通告はないとしたうえで、実際に受け入れが停止されれば「深刻な事態になる」と懸念を示した。