【マンスリー将棋】手負いの里見に雪辱期す加藤 | 毎日のニュース

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 タイトル保持者としての強い責任感から休場中にもかかわらず“強行出場”を決断した里見香奈女王(22)に対し、女流王座戦で昨年12月、1勝3敗で敗れてタイトルを失冠し、早くも雪辱の機会を得た加藤桃子奨励会1級(19)。26日に開幕する「第7期マイナビ女子オープン」五番勝負はともに男性と同じプロ棋士を目指す奨励会員同士の再戦となった。

 「体調不良は年が明けても悪くなる一方で、こんなに長く続くとは思ってもいなかった。ここは休場して完璧な状態に戻したい。苦渋の選択でした」

 加藤がマイナビ女子オープンの挑戦者に決まった3日夜、東京・千駄ケ谷の将棋会館での記者会見で里見は休場に至る経緯をこう明かした。対して加藤は「里見さんと戦えることになってとてもうれしい。昨年秋のリベンジも兼ね一生懸命頑張りたい」としたうえで、「休場を正直、心配していました」と続けた。

 奨励会の番付では里見は三段で加藤は1級。番付通りには行かないのが勝負の世界。「力の差はあるが里見さんに体調不良のハンディがあり、加藤さんにもチャンスはあると思います」とある若手棋士。

 加藤は「里見さんは戦う相手なので、目の前の相手に対し私なりに頑張りたい」と雪辱に意欲を見せた。対して里見は「何とか一生懸命戦う姿を見てもらいたい」と応じた。フルに戦えば5月29日の最終第5局まで2カ月余の長丁場。里見にとっては休場とは名ばかりのタイトル戦となるかも…。(藤田昌俊)