他人のパソコン(PC)にウイルスを感染させて遠隔操作し、無差別殺人などの犯行予告をしたとして、威力業務妨害やハイジャック防止法違反などの罪に問われたIT関連会社元社員、片山祐輔被告(31)の初公判が12日、東京地裁(大野勝則裁判長)で開かれた。片山被告は「徹頭徹尾、事実無根です」と無罪を主張した。
片山被告は、捜査段階から一貫して否認。片山被告と事件を結びつける直接的な証拠がないとされる中、検察側は状況証拠での立証を目指す。弁護側と片山被告本人も、午後にそれぞれ冒頭陳述をする予定。
片山被告が起訴されているのは、平成24年6~9月に行われた、小学校襲撃や日本航空機爆破など9件の犯行予告と、ウイルスを6人のパソコンに感染させたとするウイルス供用罪。
事件をめぐっては犯行予告を書き込んだとされるPCを使用していた男性4人が逮捕されたが、その後、ウイルスによってPCが操作されていたことが判明。真犯人を名乗る人物が犯行声明文を発表し、警察が誤認逮捕を認めて謝罪した。
検察側は、逮捕された4人のうち3人は、片山被告が同年7~9月に米国のサーバーなどに設置したウイルスに感染したと主張する方針。残る1人は、インターネット掲示板に書き込まれたURLをクリックしただけで、事前に用意したメールが勝手に送られる「クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)」と呼ばれる不正プログラムが使用されたとしている。