【ZOOM】フジテレビ「MUSIC FAIR」50周年 「その時、その場所」を求めて | 毎日のニュース

毎日のニュース

今日の出来事をニュース配信中!

 フジテレビ系音楽番組「MUSIC FAIR(ミュージックフェア)」(土曜午後6時)が今年8月、放送50周年を迎える。民放最長寿のレギュラー音楽番組で、3月1日には放送2500回を達成する。数々の名場面を生み出してきた長寿番組のこだわりから、音楽番組の未来を探る。(三品貴志)

                   ◇

 「アーティストと番組の作り手の気持ちがひとつになっているからこそ、50年続いたのだと思う。番組の魅力は、コラボレーション(協力、共演)にある」

 フジテレビの亀山千広社長は5日の定例会見で、半世紀の重みをそうかみしめた。

 

独自路線を追求

 番組の特徴の一つが、たびたび企画される出演者同士の共演ステージだ。過去には山口百恵と世良公則(せら・まさのり)によるポール・マッカートニー&ウイングスの「マイ・ラブ」(昭和54年)や、美空ひばりと郷ひろみがデュエットしたエルヴィス・プレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」(59年)など、豪華な顔合わせに定番の選曲が話題となった。

 こうした共演企画の背景には、各時代の人気番組への“反発”があったようだ。番組開始当時は「シャボン玉ホリデー」(日本テレビ系)のような音楽バラエティーが主流で、昭和50年代からは「ザ・ベストテン」(TBS系)などランキングを重視した番組も増えた。

 フジにも「夜のヒットスタジオ」(昭和43年~平成2年)や、「HEY!HEY!HEY!」(6~24年)といったバラエティー色の濃い番組があった。このため、現在番組のチーフ・プロデューサーを務めるきくち伸さんは「ミュージックフェアはちゃらちゃらする必要がなく、独自路線を追求できた」と分析する。