日米外相会談 靖国しこり解消、道半ば 韓国対応、残る気まずさ | 毎日のニュース

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 「改めて日米同盟は揺るぎないものだと感じた」

 岸田文雄外相は7日午後(日本時間8日未明)、ケリー米国務長官との会談を終えた後、記者団に胸を張って見せた。

 岸田氏は日本を出発する前、「このタイミングで会談することに意義がある」と周囲に語っていた。昨年末の安倍晋三首相の靖国神社参拝で、中国、韓国との融和を求める米側との関係が悪化。ケリー氏が2月に中韓両国を歴訪する予定のため、その前に日米間の「ボタンの掛け違いを直す」(日本政府関係者)ことが必要だったからだ。

 だからこそ、岸田氏は国会審議の合間をぬって訪米を強行した。ワシントンまでチャーター機を手配。ケリー氏と少しでも多くの会話を行おうと同時通訳も検討した。中国は各国で反日宣伝を繰り返しており、早い段階で「対中国」の姿勢をそろえる狙いもあったという。

 会談では、中国による東シナ海への防空識別圏設定について、改めて「許容できない」との立場で一致。2月下旬から始まる米韓軍事演習を前に、緊迫化する北朝鮮情勢への対処方針も共有できた。ケリー氏の中韓訪問前に、当面の目標は達成できたとみられる。

 ただ、日米の足並みが完全に元通りになったかどうか疑問符がつく。