年明け早々、熱気球で尖閣諸島(沖縄県石垣市)への上陸を企図して失敗し、途中で海に墜落した中国人の男が世間を騒がせた。中国のネットユーザーらは、この「気球男」が日本の海上保安庁の船に救助されたことに激怒し、容赦ない批判を浴びせると、その矛先を中国政府にまで広げた。(原川貴郎)
最初に、この事案を簡単に振り返ろう。中国・河北省の「調理師」とされる男は1日午前、尖閣諸島の魚釣島を目指して熱気球で福建省を出発したが、トラブルで海に墜落し、無線で救助を要請。同日午後、台湾当局から救助要請を受けた海保が、巡視船2隻とヘリコプターで捜索し、日本の領海内で男を救助した。海保は入管難民法違反での立件も検討したものの、人道的見地から領海外側の接続水域で中国公船に男を引き渡した。
中国メディアは、主に日本メディアの報道を引用する形で、淡々と事実関係を伝えた。