【マスカット=桑原雄尚】オマーンを訪問中の安倍晋三首相は9日夜(日本時間10日未明)、カブース国王主催の晩餐会(ばんさんかい)で、日中関係について、防空識別圏問題などを念頭に「力によらない法の支配、国際法に基づく平和的な取り組みが必要だ」と述べ、日本の立場に理解を求めた。
両首脳はイラン核開発問題に関しても意見交換し、首相は「イランの原発など湾岸諸国の懸念を解消するため、イランにさまざまな働きかけを行う」と表明。国王は「日本の果たす役割を期待する」と語った。
晩餐会に先立つ首脳会談では、首相が「積極的平和主義で中東を含む国際社会の平和と安定に、より積極的に貢献する」と述べたのに対し、国王は「日本の外交政策を高く評価し、歓迎する」と応じた。
首相は10日午前(日本時間同日午後)、オマーンを政府専用機で出発し、同日午後(日本時間同日深夜)に2カ国目の訪問地のコートジボワールに入る。