トヨタ自動車の平成26年3月期の連結営業利益が2兆4千億円を超え、6年ぶりに過去最高を更新する見通しとなった。円安効果や好調な北米での販売が寄与し、リーマン・ショック前の20年3月期の2兆2703億円を上回る。製造業で国内最大のトヨタの最高益更新は、アベノミクスによる日本経済復活の象徴となりそうだ。
トヨタは今年11月、26年3月期業績予想の前提の為替レートを1ドル=92円から97円に見直した。この結果、2200億円の利益押し上げを見込み、営業利益予想を2兆2千億円とした。その後も円安が進み、足元の対ドル為替レートは104円台の水準。営業利益はさらに約2千億円程度上積みされる見込みだ。
販売面でも追い風が吹いている。日野自動車、ダイハツ工業を含めたグループの世界での販売台数は、今年1~12月で999万台(計画は996万台)を超えるとみられ、今年度全体でも前年度比4%増の1010万台に達することが濃厚。いずれも過去最高となる。特に北米での販売は、前年同期比で8~9%の伸びが続いている。
一方、国内販売も、来年4月の消費税増税前の駆け込み需要が見込まれ、計画以上の販売も期待できる。
多くの部品を用いるため、裾野が広いといわれる自動車業界の最大手の好業績は、多方面への好影響が期待できる。トヨタの過去最高益は、日本経済全体にプラスに作用することとなりそうだ。