【春高バレー】いつも仲間がいた、今がある…震災で校舎が全壊した岩手・高田高 | 毎日のニュース

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 「父がすごく喜んでいると思う。私がバレーをする姿を一番応援してくれたのが父だった。すごく負けず嫌いだったんです」

 10月27日。全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)岩手県大会女子決勝で盛岡市立高校を破って4年ぶりに全国への切符を手にした高田高校(岩手県陸前高田市)。その主力アタッカーの佐藤梨衣さん(3年)は、こう亡き父を振り返った。東日本大震災に見舞われたのは、高校入学直前の平成23年3月。高田高校では3階建ての校舎が全壊し、部活動中の水泳部員ら計22人と教員1人が犠牲になり、親を亡くした生徒は31人を数え、約3割が家を失った。

 市役所職員だった佐藤さんの父、正彦さん(当時55歳)は市民らを庁舎3階へ誘導中に犠牲に。当初は事実を受け入れられなかった佐藤さん。いまでは父との思い出とも向き合えるようになった。支えになったのは「スポーツの力」だった。部員16人で、苦難を乗り越えてつかんだ全国切符。1月5日に開幕する春高バレー(東京体育館)に向け、佐藤さんは「(あのとき)バレー部の仲間が練習に来てほしいと誘ってくれたからいまがある」と活躍を期している。