【都知事選】“後出しじゃんけん”定着 「政策吟味の機会失う」 | 毎日のニュース

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 東京都知事選は近年、知名度の高い候補者が出馬表明を遅らせ、印象が残りやすい最終盤に表明する「後出しじゃんけん」が定着している。とりわけ今回(来年1月23日告示、2月9日投開票)は、年末年始9連休をはさむ「超短期決戦」のため、有権者が政策を十分に吟味する機会が失われる可能性もある。

 都知事選は、告示まで3週間余りに迫ったが28日現在、立候補を表明したのは元日弁連会長の宇都宮健児氏(67)=写真=だけ。宇都宮氏は今回、告示20日前の表明だった昨年の前回選よりも早く行動に出た。

 年末を迎え、元厚労相の舛添要一氏(65)、元宮崎県知事の東国原英夫氏(56)といった元国会議員らの名前が候補者として取り沙汰され、各政党も人選の絞り込みを進めているが、表明は年明けにずれ込む気配もある。

 これまで現職候補がおらず新人だけで争った近年の都知事選は、最後に出馬表明した著名な候補が当選するケースが続いている。

 平成7年は元タレントで参院議員だった青島幸男氏が13日前、有名候補が乱立した11年は作家で元運輸相の石原慎太郎氏(81)が15日前に、昨年の猪瀬氏も石原氏から後継指名を受けながら8日前の正式表明だった。

 「石原氏のときは出馬表明後に報道が『石原一色』になり、他の人ははじき飛ばされてしまった」

 政治心理学を専門とする明治学院大の川上和久教授(56)は11年の都知事選を振り返る。いずれも他の主要候補は告示の1カ月以上前に立候補を表明。告示までの間が空いたことで、有権者に「賞味期限切れ」のイメージを起こしたという。